私の実家は自宅から1時間以内のところにあるので、たまに行きます。70歳を越えた両親は、昨年からスマホを使っていますが、実家のWi-Fiルーターは10年前に購入したバッファロー(BAFFALO)の『WZR-600DHP』が使われ続けていたので、さすがに買い替えることにしました。正直、企業の情報システム部門に従事している人間として、セキュリティへの意識が低すぎたと自分自身反省しています(私の両親は一般人なので、狙って攻撃されるリスクは低いですが…)。
ネットワーク機器やサーバなどを入れ替えることを専門用語で『リプレイス』といいます。今回は、実家のWi-Fiルーターリプレイスがテーマです。企業では「不具合のない機器でも、セキュリティサポートが切れるのでリプレイスすべし」という場面はたくさんありますが、一般家庭においても同様です。古いルーターはファームウェアアップデート(パソコンで言うところのWindows Updateみたいなもの)が打ち切られているなど、最新の攻撃に対する脆弱性があるので、リプレイスが必要です。
Wi-Fiルーター選び
そもそも、Wi-Fiルーターは結局どれが良いのか?Synologyをおすすめします!という記事を書いてるんだから選ぶまでもなくSynology(シノロジー)だとオモイマスヨネ…。すいません、違います。実家に4万円以上するルーターを設置するなんて異常者のやることですよ?(開き直り)
先の記事に沿った選び方で、最安1万円ちょっと、Wi-Fi6対応、価格コム・Amazonの星4以上、最新のASUS(エイスース)の『RT-AX59U』に決めました。ASUSは台湾メーカーです。

10年前のルーターと比較したら失礼ですが、『RT-AX59U』はデザインが洗練されており、縦置きで省スペース、最大接続台数64台で「今後、接続機器が増える」ということを考慮しても、スキのない一品となっています。楽天ビックさんでポイントの倍率が高いときに購入することをおすすめします(以下広告)。
『RT-AX59U』の弱点は一つだけで、WANポートが1Gbpsなことです(インターネット回線が1Gbpsを超える高速でも最大の恩恵は受けられない)。ただ、実家の光回線の契約が最大1Gbpsで、リプレイス前のWi-Fi接続時のスピードテスト結果が30Mbps程度という状況だったので、安心して『RT-AX59U』に決定しました。
LANケーブル選び
実家のネットワーク回線・プロバイダ契約は『OCN光ファミリー』で、ONU(終端装置)と古いルーターに接続されているLANケーブルはCAT5e(カテゴリー5e)でした。

CAT5eは最大1Gbpsなので、LANケーブル自体はボトルネック(遅い原因)になりません。ただ、規格としては古く、経年劣化していることも考えられるので、今回のリプレイスのタイミングに交換しておくことにしました。
『RT-AX59U』にはLANケーブルが1本ついているのですが、カテゴリーが不明なので、今後の保守性も鑑みて、新しいものを別途購入することにしました。今であれば、CAT6aかCAT7が妥当です。ONUとルーターを真横に設置するならば長さは0.5mで十分です。『RT-AX59U』のように縦置きのルーターであれば、0.2mでもギリギリ届く感じもしますが、私は0.5mのCAT7のケーブルを買いました(以下広告)。
同じメーカーさんのものをAmazonでも購入可能です。
リプレイス作業
説明書通り、ONUの電源を切って、古いルーターと古いLANケーブルを取り外し、新しいLANケーブルでONUと『RT-AX59U』を接続し、機器の電源をいずれもON。数分待ってからPCでWi-Fiを探し、SSID『ASUS_●●』を選択し、PWを入力(デフォルトのSSID・PWは箱の中に別紙あり)。PCでブラウザを立ち上げ、自動的にルーター設定画面に遷移(自動でいかない場合は、手動でhttp://www.asusrouter.comへアクセス)。SSIDやPWが変更できる画面が出るが、一旦そのままでOK。5GHzと2.4GHzのSSIDが分けられる画面が出るが、分けないでOK(デフォルトでスマートコネクトはON)。ISP(インターネットサービスプロバイダ)のユーザ名とPWを要求されるので入力。私の実家の場合、NTTコミュニケーションズから送付された書類に記載されている『認証ID(●●@one.ocn.ne.jp)』『認証パスワード』を入力しました。インターネットにつながった後に行った作業は以下。
- ルーターのファームウェアを最新にアップデート(必須)
- ルーターのファームウェアの自動更新設定(強くおすすめ)
- PC・スマホなど日常で使う機器のWi-Fi設定
- プリンターなどたまに使う機器のWi-Fi設定
『RT-AX59U』はAI活用のセキュリティ設定ができますが、トレンドマイクロへの情報提供に同意する必要があったり、不明な点が多いので、一旦OFFにしています。
Wi-Fi6対応ルーター『RT-AX59U』とWi-Fi6対応スマホ『Pixel8』を接続して、Googleのスピードテストの測定結果は以下の通り。

リプレイス前は30Mbps程度だったので、劇的に早くなりました。アップロードがこれだけ出るのは「さすが光回線」という感じですね。実家は2階建てで、ルーターから最も離れても、スマホがWi-Fiをつかみ続けられました(箱に記載されていた3階建てでもいけるかどうかは不明)。離れているときは2.5GHzをつかんでいるようで(近いと5GHz、遠いと2.4GHzに自動切換してくれるのがスマートコネクト)、スピードテストで100Mbpsを切りましたが、接続自体は安定していました。
おまけ
以前、TVerのCMがスキップされる(検証)という記事を書きました。Synologyのルーターの管理画面で「ダウンロード速度を遅くする」という設定をすると、スマホで『TVer(無料でTV番組を視聴可能)』のアプリを使用する際にCMがスキップされるという検証をしたのですが、ASUSの管理画面でも同様の検証ができました。
管理画面(http://www.asusrouter.com)にアクセス、ログインした後の作業が以下です。

- ①QoS(Quality of Service)をON
- ②QoSタイプで帯域リミッターをラジオボタン選択
- ③ターゲットをプルダウン選択
- ④ダウンロード帯域幅を1Mb/s、アップロード帯域幅を適当に入力 ※1Mb/s=1Mbps
- ⑤+ボタンをクリック
- ⑥適用ボタンをクリック
この後、ターゲットに指定したスマホ『Pixel8』で、TVerアプリを起動して動画を見ると、やはりCMがスキップされました。上記の操作によって正しく、設定が反映されていることが確認できました。ただ、せっかくルーターリプレイスによって、実家のWi-Fi環境が良くなったのに、このままにしたら不便なので、上記設定を解除して、この日の作業をすべて終了しました。
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